大型背景紙を使った全身ポートレート「白バックの簡易スタジオ」撮影。
背景紙(ホワイト バックグラウンドペーパー)使用例
私が大変お世話になっております、浜松市の着付け・貸衣装の心美 様の店舗2Fにて、成人式前撮りや卒業お祝いの袴姿の撮影のご依頼をよくいただきます(ほんとうに感謝)。
白の大型背景紙を使っての、全身撮影の場合の、バックグラウンドペーパーの設置例と、3灯ストロボ照明ライティングの配置例の備忘録です。
ある程度広い空間、8畳〜12畳の広さのリビングや客間、和室などがあれば、ライトスタンドと背景紙バー(クロスバー、テレスコピックバー)を立て、大型の背景紙(アメリカ製・大きな画用紙)を使って、人物ポートレートの背景を作ることができます。
背景紙の収まる横幅と、人物からやや引きがとれる縦方向の距離は必要になりますが、写真スタジオに行かなくてもこのような簡易スタジオをご自宅や、会社の会議室などに作ることが可能となります。
ストロボ照明ライティングでは、光のディフューザー(拡散幕)選びがポイント。
硬質な硬い光のストロボ光をやわらかく拡散するのに必要なのが「ディフューザー」です。
よく使うのが「ソフトボックス」や「アンブレラ」ですが、私の最近のお気に入りディフューザーは「JINBEI トランスルーセント(透過) アンブレラPro Mサイズ【透過】(100cm/16本リブ)」です。
以前は「profoto OCF ソフトボックス 60 X 90cm」を多用していましたが、「発光面積」をより大きくしたいと思い、幅100cmのアンブレラ(傘)」を導入、光の柔らかさが気に入って使いはじめました。
16本の傘の骨組みにより、より円形に近いきれいな形状と、お椀型のやや深さもあることから、ディープ(深型)まではいかなくとも、より多くの布面積にストロボ光が多く当たることになります。
前者ソフトボックスの発光面積は0.54㎡、後者アンブレラの発光面積は0.78㎡。より大きな発光面積が確保できます。
人物全身をストロボライティングで撮る場合、「髪の毛〜脚元」まで光が届く必要があります。
そのため、できる限り大きな面積のディフューザーが必要ですし、きちんと全体に光がまわり良い写真が撮れますので、レタッチ等の後工程の修正処理に時間がかからないのが、プロの仕事としても大事な部分です。
「ソフトボックス」と「アンブレラ」の使い分けの基準について。
「ソフトボックス」は、被写体に近づけて、光のコントラスト欲しい時に使います。
料理写真など、被写体にディフューザーを近づける事ができる場合、またややコントラストの強い光で陰影を強調したり、発色を良くしたい場合に使います。金属・鏡面やガラスの商品撮影の時に、映り込みでアンブレラの骨などが写り込んでしまうのを避けたい時に使います。
撮影場所の広さがなく、ライトスタンドの設置場所に困る場合には重宝します。また屋外でのライトスタンド使用も可能です。
「アンブレラ」は、主に室内撮影で、被写体への「傘の骨の映り込み」が無視できる時に使います。
アンブレラはすぐに展開(開ける)できる手軽さに加え、発光面積が大きいことにより、光質がやわらかく、光の回りが大きい分、影(シャドー)の出方がふんわり薄くなり、特に女性ポートレートに向くと思います。
ただデメリットもあり、主に屋内・室内での使用に限られるということです。アンブレラはそのお椀形状から、ほんの少しの風でも受けるとすぐに倒れてしまいます。重りで固定するという方法もありますがオススメしません。アシスタントがしっかり手でスタンド持つことが前提です。ほんの微風でも一瞬で倒れますので、ストロボの破損の懸念があります。
アンブレラも「白・銀」と「透過(半透明)」、つまり「反射タイプ」と「直射タイプ」の2種類があります。
「白」か「ルーセント(透過)」か、このあたりはカメラマンの好みによる部分も大きいので、どちらが正解というのはありません。
私の最近の流行りとしては「ルーセントアンブレラ」で、ちょっと直射的な光の質=適度なコントラストもあるのが好みです。
また、アンブレラ白=反射型は、光量のロスもありますので、クリップオンストロボを使う場合はルーセントアンブレラ=直射型が良いと思われます。
人物など大きな被写体を照明ライティングする場合は、全身のどこに向け、どのぐらいの光量の光を当てるかをイメージすることも重要です。
また、背景紙(白)をどの程度白く飛ばすかによっても、背中の壁となる背景紙との距離感を調整します。
一般的には、背景紙(壁)から距離を離せば離すほど、背景の色は暗く落ちます。人物の露出が適正になる場合、白の背景紙だと薄いグレー~濃いグレー色になります。距離の離れた背景まで光が届かないのと、被写体の影が濃くなるという側面もあります。
また、ストロボの位置を被写体に近づけてゆくと、同じ様に背景の色は暗く落ちます。人物の露出が適正になる場合にコントラストの強いスポット的な光になり、また総じてストロボ光量を弱くする必要もあるため、全体に均一に光が周らない所以です。
そのため、背景の白をなるべく活かした、清潔感のある全身ポートレートをライティングする場合、「背景紙の壁から60〜80cm前後の位置に人物は立ってもらい」さらに「人物の立ち位置から150〜250cm前後離れた位置にストロボを設置」して、ストロボの光量を微調整してゆきます。
人物の照明ライティングは「距離感のバランス感」がとても大事です。
背景紙にどのくらいの光を当てるか(回すか)によっても、ストロボの発光量を人物とのバランスを見ながら調整する必要も出てきます。
当然のことながら、フル発光でも70W前後の低出力のクリップオンストロボではなく、200〜500Wの高出力のモノブロックストロボで、フル発光にはせず、なるべく出力値を落として発光に余裕のある光を作る方が、発色がよくなると思います。
静岡県浜松市の出張写真撮影フォトグラファー * 笑顔を撮るカメラマン 内藤昭太 *
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