人物ポートレート照明ライティング構成の備忘録。
eスポーツ選手のWEBページ用ポートレート写真を急遽撮ることとなり、
カメラマン内藤の自宅パソコン作業部屋を簡易スタジオとして使うことになり、慌てて準備しました。
コントラストの強いメリハリのある硬質な光の、
陰影の強調された半身用のポートレート人物ライティングです。
テーマは「顔と肩に左右背後から光を当てる明るいハイライトを作り」+「正面斜め45度上から下に向けての強めのメインライトで影の陰影を作る」+「床の黒の無反射布で、光が回り込みすぎないよう調整」による、少しドラマチックな表現の男性向きのポートレートライティングです。
Profoto B10,B10プラスのモノブロック ストロボ計3灯で撮影しました。
(1)
メインストロボ1灯 Profoto B10プラス500Wは、人物被写体正面の斜め上方から、ソフトボックスを使います。
顔の顎下に影が落ちるように、上方から光を当てます。
(2)
サブストロボ2灯 Profoto B10 250Wは、人物の左右背後斜めから、後頭部〜頬に向けて直灯ストロボを当て
頬の両側を明るくし、背後から光が当たるドラマチックな印象に。
また、サブストロボの光が前方のカメラ側に回り込まないように、コピー用紙で発光の側面を隠します。
(3)
背景は人物アウトライン切抜き用で、白の背景紙を壁から垂らします。
(4)
腕を組んだときの下側に影を入れたり、eスポーツチーム服装ユニゴームの皺の陰影コントラストを際立たせるために、
床に無反射布(黒)を敷き、光の反射を極力抑え影ができるように工夫しました。
床の黒い布にぽつんと見える赤い丸シールが、人物の立ち位置の目印です。
電源コードが不要なバッテリータイプのモノブロックストロボ、
Profoto B10シリーズ。
プロフォトのストロボB10シリーズは、大容量のバッテリーを使い、
電源の無い場所でもストロボが使えるのが特徴。
ワイヤレスコマンダーをカメラのアクセサリーシューに装着すれば、
ワイヤレス発光もできるので、様々な現場でのライティング機材配置もスピーディに。
さらにすごいのが、B10シリーズは「調色可能なLED発光」も可能だったりします。
やや弱目の補助光としての定常光ライティングにも使えます。
写真テイストのレタッチ調整も限界があり、
欲しいテイストは、できるだけライティングで作り込むのが大事。
写真テイストのフォトショップ等のレタッチソフトでの調整・合成も限界があり、
欲しい絵柄(硬い・柔らかい)のトーンは、ライティングによって作り込むのがとても大事です。
普段は明るい印象の家族写真やお子様のポートレートを撮ることがほとんどなので、
今回の力強さを表現するライティングは良い勉強になりました。
前日からライティングシミュレーションや背景紙セットをしますが、
まず大事なのは、窓を開けての換気、お部屋や階段の掃除機でのお掃除(笑)。
また自分をダミーとして何度もライティングテストを繰り返しますが、
メイン灯とサブ灯の光量比バランスがなかなか難しい・・・。
人物に対するストロボの高さ・角度・位置も100%の正解がないので、
とにかく撮った画像を確認するトライ&エラーの作業を続けます。
セルフタイマーを使って移動を繰り返し何度も撮るのはなかなか大変です。
eスポーツ選手は、対戦型のインターネットゲームで活躍する、今注目を集めるスポーツプロゲーマーの方ですが、
お住まいがちょうど私の住む浜松市とのことで、撮影させていただく機会となりました。
eスポーツの現状や、興味深い内容もお伺いでき、短い時間でしたがとても楽しく撮らせていただきました。