デジタルカメラの撮像素子(ローパスフィルター)に付着したゴミを、緊急手段で自己責任で取り除く方法。
2022/06/05
デジタルカメラの撮像素子(ローパスフィルター)に付着したゴミを、緊急手段で自己責任で取り除く方法。
【ご注意!】この方法を実際に試される場合は「自己責任」においてお試しください。
デジタルカメラのレンズ交換時に、どうしても入り込むのが「小さなホコリやゴミ」。
撮像素子CMOSセンサーやCCDセンサー(その上にあるローパスフィルター)の上にゴミが付着する場合も多々あります。
大口径の明るいレンズで開放値「f1.8〜f4」ぐらいまでの、絞りを開け気味に撮る場合はほぼ問題有りません。
ただ、例えば屋外快徒晴の「運動会撮影」案件などで「生徒全体の体操シーン」「徒競走で4人ぐらいをコーナーではっきり写したい」、「3列ほどの生徒の集合写真を撮りたい」場合があるとします。
全体のシーンを広角端で撮るならカメラの絞り値を「f5.6〜」、中望遠ズームレンズで複数人数の徒競走や競技シーンなら「f11.0〜f13.0」、標準ズームレンズでクラス集合写真の場合は「f8.0」と絞って写真を撮ります。
その場合、万が一にも撮像素子面に小さなホコリが数箇所あるだけで、撮った写真には「黒っぽいシミのような影」がはっきり写り込んでしまいます。
特に青空や、白い壁など単調な色面にゴミがあると、はっきりわかります。
レンズの前玉はブロアーで必ずホコリやゴミを吹き飛ばして目視でき、小さなゴミならさほど映りにも大きな影響がでないのですが、この撮像素子面(ローパスフィルター)の小さなゴミというのは、小さなものでも影響が大きいのです。
カメラにレンズを装着する際には、風のない、ホコリの少なそうな場所で、撮像素子面を目視確認はするのですが、ほんの小さなゴミを見逃す場合も時にあるのです。
写真を撮り終えて、写真データをモニターで拡大し見た時、膨大な写真データの同じ位置に「黒やグレーの丸いシミ」があった時には、もう泣きそう・・・(そういう場合はレタッチで1枚づつ直します((泣))。
最近のミラーレスカメラにも「センサーを超音波振動で震わせ、ゴミを振り落とす」イメージセンサークリーニング機能があり、通常のダストオフはそれで十分です。
もし肉眼でCCDやCMOSセンサー上にゴミが見つかった場合は、カメラを下に向け、空拭きしたブロワーを上向きにし数回空気を吹けば、大抵のゴミは無くなります。
ただし、「静電気」を帯びたゴミについては、ブロワーの空気だけでは落ちてくれません。
その時は「カメラメーカーの修理サービス」に「イメージセンサーのクリーニング(有料)」をしてもらうのが最善の方法。
この方法をオススメします。
この修理に出す方法には大きなデメリットがあり、お金の問題よりも「修理として時間がかかる」ことです。
・サービスに申し込み〜・カメラのピックアップ〜・メーカー修理(クリーニング)〜・発送返却まで、だいたい2〜3週間前後ぐらいの期間の覚悟が必要です。
次の仕事が待っていて、修理(クリーニング)に出せない!ことがプロカメラマンの辛いところ。
そこで、誰にでもはオススメはしませんが、「最後の手段」として「自分の手で(責任で)、撮像素子のクリーニング」を試みます。
自分でローパスフィルター上のゴミを取り除く、最後の手段のアイテムは「ローパスフィルタークリーニングW E-1675」キット 。
使うアイテムは「株式会社エツミETSUMI」の「ローパスフィルタークリーニングW E-1675」、または「CCDセンサークリーニングキットW E-5318」です 。
ETSUMIホームページを見ると、後継商品でしょうか?「CCDセンサークリーニングキットW E-5318」があります。
こちらの商品の方が新しくて良いかもしれませんね。
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エツミ CCDセンサークリーニングキットW ローパスフィルター 清掃用品 カメラ メンテナンス E-5318 価格:3,850円 |
スティックの先端に透明な粘着性のあるチップがあり、これをセンサー面のゴミに軽くタッチしてくっつけ、ゴミを取り除くものです。
CMOSセンサー(ローパスフィルター)に直に触れるので、センサーを傷つけたり壊す危険は大いにあります。自己責任でお願いいたします。
(1)
まずは、目視により、カメラの撮像素子面(CMOS、CCD)にゴミが付着しているかを確認します。
かなり小さなゴミの場合は、「カメラの角度を傾けて、いろいろな角度から見る」と良いです。意外と小さなゴミがあります。
角度によって、撮像素子CMOSローパスフィルター上の小さなゴミが(赤い丸部分)が見えます。しっかり凝視しないと見えないような小さなゴミです。ブロワーで大部分は除去できます。
(2)
次に、「ブロワー」を使い、そのゴミが空気を吹くことで取り除けるかを確認します。ここでゴミがとれればOKです。クリーニングの必要はありません。
カメラを下向きにし、ブロワーを数回「空ぶかし」してから、ブロワーを上向きにして風を数回吹きます。
カメラを下向きにするのは、舞い上がったゴミが落下し再付着するのを防止するためです。
私の使っている、高いけど超オススメのブロワー(ダストブロアー)、BERGEONのNo4657。スイス製の時計工具用ダストブロワーです。
きちんと機械式時計の修理ができる時計専門店にこの同じブロワーが置いてあるのを見た時は嬉しくなりました。
硬くならない耐久性の高い本体ゴム(シリコン?)と、細い空気の吹出口と強い風量、本体を握っても(ぺこぺこ)その吹出口の位置が変わらずピンポイントで風を出せるのが特長。長く使えてます!
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《新品アクセサリー》 BERGEON(ベルジョン) ブロアー No.4657【KK9N0D18P】 価格:2,526円 |
(3)
ブロワーでもゴミが取れない場合、データにゴミが映り込みそうな大きなの場合にクリーニングを試します。
(4)
ゴミのある部分に、チップを押し当て、ゴミを吸着させます。
使い方のコツは「スティックで、ローパスフィルター面(撮像素子CMOS,CCD面)を、ちょっとづつ、軽くタッチする」こと。
最初これを使った時は「撮像素子面」にチップが「ぺたっ」とくっつき、離す時に「ぺっ」という感じで剥がす抵抗感があるのでものすごく怖かった思い出があります。
これが怖いと思ったら、試すのは止めてください。ニコンのカメラは総じて「頑丈」にできているので、私は使っています。
(5)
カメラとレンズの撮像の仕組みで「写真に写り込んだゴミの位置」は「撮像素子とは逆の位置」にあります。ご注意ください。
【ご注意!】もしかしたら「ローパスフィルターの無い(ローパスフィルターレス)」カメラには使えないかもしれません(?)。新しい「ETSUMIのCCDクリーニングキットW 」なら、大丈夫かもしれませんが、ご使用の場合はしっかり確かめてからお使いください。
【ご注意!】「時間が無い時の最終手段」です。カメラが壊れる可能性もあることを認識して、ご自分の責任の上で実行してください。
時間の余裕があるならサービスセンターにセンサークリーニング(有料)に出すのが、安全で確実です。